心穏やかに生きていきたい。

60代後半、なぁ〜んにも無い日々の中にささやかな何かを見つけて綴って行きます。

前に進めない彼女

この2日程田舎に帰った時の事を書いてます。


今日は3日目の夜に高校の同級生に会った時の事を書きます。



彼女は2年前に、思いもかけない状況でご主人を亡くしました。


元々夫婦仲が悪く、家庭内別居状態でした。


そんな毎日の中、彼女は健康に自信が無かったので


先に逝くのは自分の方だろうと思っていたそうです。



だから家の事には全くタッチしていませんでした。




ところがご主人は、彼女が家を3日程留守にした間に


胸部大動脈瘤破裂で一人で亡くなってしまったんです。




彼女には、ご主人の部屋に溢れんばかりに溜まっていた不要品の山と


そして雨漏り、ベコベコへこむ老朽化した床、カビだらけの押入れと、


修繕しなければ、今後も住み続けるのが難しい家が残されました。




そこで彼女は、私が持っているマンションを売って欲しいと言って来ました。


私は彼女に買って貰うと、今後もそのマンションに行けると思い


彼女が出せる金額で売却を承諾しました。




ところが、彼女の息子さんが反対したため、この話は無くなりました。 




そして先日5年ぶりに会った彼女は、


一気に歳を取ったように見えました。(彼女が見た私もそうだったでしょうね(-_-;))




家の修繕に500万以上かかりそう、


旦那の残した不要品の山を見ていると


怒りが湧いて来て何も手を付けられない。



あの時マンションを買って、


必要な物だけ持って引っ越しして、


あの家をぶっ潰してしまえば


きれいさっぱりと過去ともお別れできて


新しい生活ができてたかも、と


出てくる話は愚痴ばかり(´ . .̫ . `)




この2年間、彼女は全然前に進めていないようでした。



それが、ご主人を亡くした悲しみや


金銭的な心配からではなく、


古い家や不要品の山に押し潰され


これから先に、光を見出す気力を持てないからだと思うと


なんとも言えない気持ちになりました。





この先、帰って来るかどうかも分からない息子さんに遠慮して選んだ道


後悔してため息ばかりつく彼女。




私自身、こんな時どんな道を選ぶだろう。


本当に自分が望む道を選べるだろうか。



老いては子に従え・・・なの? それでいいのか?